馬の徘徊で飼い主は罪に問われる?刑事責任・行政処分・賠償リスクを一気に整理

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馬が脱走して道路をトコトコ歩いてしまった――。そんなとき、「飼い主は逮捕されちゃうの?」「前科がつく?」「そもそも何罪になるの?」と、不安が頭の中をぐるぐる駆け巡りますよね。

この記事では、馬が逃げ出したときに何が問題になるのかを、「刑事・行政・民事」の順に分かりやすく整理しました。

  • 馬がウロウロしたとき、どんな罪が疑われやすい?
  • 道路交通法や軽犯罪法のリアルな考え方
  • 「動物占有者責任」とお金の賠償の流れ
  • 示談や保険、乗馬クラブに預けていたケースの注意点
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馬の徘徊で飼い主は何罪になる?

まずは「刑事罰(警察が関わるお話)」を中心に解説します。ポイントは、逃げ出した事実だけで即アウトとは限らないこと。そして、事故があったかどうかで話が180度変わるという点です。

事故で「過失致死傷」や「過失傷害」

もし誰かがケガをしたり、命に関わる事態になったりした場合、真っ先に検討されるのが過失致死過失傷害です。ここでは「わざとやったか」ではなく、「防ごうと思えば防げた事故だったか」が厳しくチェックされます。

具体的に、次の3つのポイントがよく見られます。

  • 逃げ出さないよう、しっかり注意する義務があったか(柵の強さ、カギ、見回りなど)
  • その管理をサボっていたと言えるか(ズボラな管理をしていなかったか)
  • その管理不足のせいで事故が起きたと言えるか

大切なのは、逃げたこと自体よりも「管理にどれだけ手落ちがあったか」です。たとえば、記録的な台風で頑丈な柵が壊れたのか、それとも普段からカギをかけ忘れていたのかで、評価は大きく変わります。

「業務上過失致死傷」になる場合

馬をペットとしてではなく、乗馬クラブや牧場といったお仕事(業務)として管理していた場合、より責任が重い業務上過失致死傷として扱われる可能性が高くなります。

どんなときに「業務」とされる?

ざっくり言うと、お金を稼いでいるかどうかに関わらず、「繰り返し管理している」「チームで役割分担している」「施設として動いている」といった実態があれば、プロとしての責任を問われやすくなります。

「お仕事」が絡むと、個人よりも「組織としての仕組み」が見られます。たとえば、

  • カギ閉めのルールや点検のメモがちゃんと残っているか
  • 夜間の見回りや当番がしっかり決まっていたか
  • 万が一逃げたときのマニュアルが整備されていたか

このあたりの備えが薄いと、「たまたま」ではなく「起こるべくして起きた」と厳しく判断されやすいため、施設側は特に気をつける必要があります。

道路交通法と地域のルール

馬が道路に出たとき、よく耳にするのが道路交通法違反です。ただ、ここはちょっと勘違いされやすいのですが、「道路に馬がいた=即、道交法違反でアウト」とは言い切れないケースも多いんです。

実際には、国の法律だけでなく、各都道府県が作っている道路交通規則で、「家畜を道路に放しちゃダメ」「交通を邪魔しちゃダメ」と具体的に決められていることがあります。

ルールは地域によって違います。お住まいの地域の最新ルールや、自治体・警察からの案内をしっかり確認するのが確実です。

乗馬中だった場合は?

乗っているときにコントロールできなくなって道路に出たなら「乗っていた人の責任」が中心。厩舎から勝手に逃げ出したなら「施設の管理不足」が中心。という風に、注目されるポイントが少しズレます。

軽犯罪法とペナルティ

幸い事故が起きなかったとしても、状況によっては軽犯罪法が関わってくることもあります。これは日常の迷惑行為などを幅広くカバーする法律で、違反すると拘留科料といった罰則の対象になるかもしれません。

ただ、これも「馬が歩いていたら100%アウト」ではありません。判断基準は、

  • 周りの人たちを危険にさらすような状況だったか
  • 実際に交通をガッツリ止めてしまうなどの実害があったか
  • 飼い主が知らんぷりして放置していたか

といった点などで、ケースバイケースです。

前科がつくの?と不安になるかもしれませんが、処分の重さや手続きによって話は変わります。正しい見通しについては、専門家の意見を参考にしてくださいね。

馬の脱走と「注意義務」

警察との話でも、後で出てくるお金の話でも、最後に必ず問われるのが注意義務(どれだけ気をつけていたか)です。馬は体も大きく力も強いため、どうしても「犬や猫と同じ感覚」というわけにはいかないのが現実です。

具体的に何がチェックされる?

よく焦点になるのはこんなところです。

  • 柵やゲートが古くなってボロボロになっていなかったか
  • カギやロープの固定を毎日しっかり確認していたか
  • 人の出入りが多い時間に、管理がルーズになっていなかったか
  • 以前に「逃げそうになった」ことがあったのに、そのままにしていなかったか

「できる限りのことはしていた」と言えるかが後々の分かれ道になります。日頃の点検メモや写真があるだけでも、説得力がぐんと上がります。

馬が逃げたときの賠償責任

ここからは「民事(お金と責任の話)」です。実際のところ、警察との話よりも損害賠償示談のほうが現実的に進んでいくので、揉めやすいポイントを先回りして押さえておきましょう。

動物占有者責任(民法718条)って?

馬が人や物にぶつかって損害を出したとき、ベースになる法律が民法718条です。ざっくり言うと、「その時、実際にその馬を管理していた人(占有者)」がまずは責任を負いましょう、という決まりです。

「飼い主=責任者」とは限らない?

ここが意外と見落としがちなポイント。乗馬クラブや厩舎に馬を預けているときは、「その日、誰が管理していたのか」が議論になります。契約内容や当日の状況によっては、オーナーではなく「預かっていた施設側」の責任になることもあるんです。

「相当の注意」をしていれば免除される?

管理していた側が「やるべきことは完璧にやっていた」と証明できれば、責任を免れる道もあります。ただ、大きな動物である馬の場合、そのハードルはかなり高く設定されています。責任のスタート地点は、管理していた人が負う「動物占有者責任」。でも、誰が本当の管理者か、注意が十分だったかで結果は変わります。

損害賠償と示談のポイント

賠償の話になると「結局、いくら払えばいいの?」が気になりますよね。ただ、金額は被害の内容や過失の割合で千差万別。ここでは、よくある項目だけ整理しておきます。

賠償の種類は「交通事故」に似ている

主に出てくるのはこちらです。

  • ケガの治療費や、病院へ行く交通費
  • 仕事を休んだ分の補償(休業損害)
  • 心の傷への「慰謝料」
  • 壊れた車や備品の修理代、代車費用
  • 壊れた物の今の価値(時価相当額)

領収書、見積書、診断書といった「証拠」が揃っているほど、話はスムーズに進みます。もし当事者になったら、まずは書類の確保を心がけましょう。

示談は「冷静に整理」が合言葉

相手の怒りや自分のパニックがぶつかると、話し合いは空回りしてしまいます。やることは意外とシンプル。

  • 起きた事実(いつ・どこで・何が起きたか)
  • 損害(何が、いくらかかったか)
  • 落ち度(どちらに、どれだけ非があったか)

これらを淡々とパズルを埋めるように整理していくイメージです。もしこじれそうなら、早めに弁護士さんに間に入ってもらうのが賢い選択です。

※詳しい条文などは、国が運営する「e-Gov法令検索」などで誰でも確認することができますよ。

「過失相殺」と修理費・治療費

「馬が飛び出してきたんだから、馬側が100%悪い!」と思われがちですが、実はそうとも限りません。相手側(車や被害者)にも不注意があれば、その分だけ賠償額が減る過失相殺という考え方があります。

相手側の不備として見られること

たとえばこんな事情です。

  • 車がスピードを出しすぎていた
  • よそ見をしていた(前方不注視)
  • 夜なのにライトをつけていなかった
  • 馬が見えていたのに、ブレーキを踏むのが遅すぎた

もちろん、道路に馬がいること自体が普通ではないので馬側の責任は重いですが、ケースバイケースで調整されます。

項目 必要な書類の例 ひとことメモ
修理代 見積書・領収書 複数の車屋さんで見積もることも
治療費 診断書・領収書 通院ペースが適正かチェックされます
休んだ分 給与明細など 自営業か会社員かで出し方が変わります
慰謝料 通院記録など ケガの程度や期間で金額が決まります

金額については「だいたいいくら」と一概に言えないのが難しいところ。最終的には保険会社や弁護士とのやり取り、あるいは裁判所の手続きの中で決まっていくことになります。

保険と乗馬クラブへの預託

トラブルを解決する上で、一番頼りになるのが保険です。個人の場合は「個人賠償責任保険」、施設なら「施設賠償責任保険」など、どんな保険が使えるかで動きやすさがガラッと変わります。

まずは「使える保険がないか」をチェック

意外と忘れがちなのが、火災保険や自動車保険の「特約」、クレジットカードに自動でついている保険などです。保険会社への連絡は早ければ早いほど良いです。時間が経つと当時の状況が分かりにくくなり、保険が降りにくくなるリスクもあります。

乗馬クラブに預けていたときは?

預託中のトラブルだと、「管理していたのは施設か、それともオーナーにも責任があるか」が大きな争点になります。預ける時の契約書や規約にどう書いてあるかが重要になるので、自分の判断で話を進める前に、しっかり書類を読み返してみましょう。

ちなみに、ペットが外に出てしまった時のリスクについてはこちらのケースもヒントになります。

動物の種類は違っても、法律の枠組みはよく似ていますよ。

まとめ:馬の徘徊、飼い主はどうなる?

最後にポイントをおさらいしましょう。馬が逃げ出して何罪になるかは、結局のところ「事故が起きたか」「どれだけ管理を怠っていたか」にかかっています。逃げた=即逮捕と怯えすぎる必要はありません。

まとめのポイント

  • ケガ人が出た場合:過失致死傷(仕事なら業務上過失致死傷)がメインの問題になります
  • 事故がない場合:道路交通法や各地域のルール、軽犯罪法などが関わってきます
  • お金の話(民事):管理していた人の責任が問われ治療費や修理代の支払いが必要になることが考えられます
  • 預けている場合:オーナーと施設のどちらが「管理責任」を負うかがまず重要です

もし当事者になってしまったら、まずはこれ以上の事故を防ぐために安全を確保し、警察へ連絡しましょう。その上で、状況を写真に撮ったり、時間をメモしたりして、客観的な記録を残しておくことが自分を守る第一歩になります。

法律の結論は、現場の細かい事情で変わります。より詳しいルールは、自治体や警察の公式サイトなどで確認してください。もし不安が大きかったり、損害賠償を請求されそうな場合は、迷わず弁護士さんなどの専門家に相談しましょう

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