2025年12月12日現在、日本郵便の国際郵便は「一部サービスを除いて」カナダ宛の受け付け・発送が可能です。ただし、SALや船便(Surface)など一部の輸送方法は停止・制限が残っているため、EMS/航空便(Air)を優先する必要があります。また、カナダ国内の処理遅延や積み残し(バックログ)が残っているため、到着遅延は引き続き発生する見込みです。※公式の運用表と通知で確認しています。郵便局 | 日本郵便株式会社
1) カナダ宛て国際郵便の受け入れ停止の経緯
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2025年5月、カナダ側の郵便労組(CUPW)がストライキ(および大規模な時間外労働拒否などの行動)を開始/予告し、カナダ国内および国際郵便の処理に影響が出始めました。これを受けて、各国の郵便事業者(日本郵便含む)が「カナダ向けに遅延や受入停止」の案内を出しました。カナダポスト
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日本郵便は状況に応じて受け入れ・発送の可否を何度か更新しています。2025年10月の告知では(10月6日付で)一部の国際サービスの受け入れを停止する旨が案内され、カナダ向けも停止対象に含まれる期間がありました。郵便局 | 日本郵便株式会社
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その後、カナダ国内の労使関係は変化し、カナダ政府やカナダポストの通知により、業務再開/ストップの段階的変化がありました(公式に業務が再開された旨の案内あります)。しかし積み残しの処理や優先対応で遅延は継続すると明示されています。参照
2) 2025年12月12日時点の「日本郵便の扱い」
日本郵便の“Service availability by country”(更新:2025年11月14日等)を基に要点を整理しています。
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EMS(国際スピード郵便):基本的に受け付けあり。ただし地域/状況によって処理遅延が発生する可能性あり。発送は可能ですが到着に時間がかかる見込みです。郵便局 | 日本郵便株式会社
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航空便(Airmail / Parcels Air):主要な航空便は受け入れ可です。ただし一部オプション(SAL、船便)は停止されているため、“Air”を選んでください。郵便局 | 日本郵便株式会社
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SAL / Surface(船便):停止または受け入れ不可の扱いが出ている期間あります。経済的な船便を選びたい場合でも、現時点では選択できない/到着が非常に遅れるリスクあります。郵便局 | 日本郵便株式会社
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書留・追跡サービス:可能なものは使うべきですが、紛失・遅延リスクが高まっているため、追跡付き(Registered/追跡番号)を強く推奨されます。郵便局 | 日本郵便株式会社
まとめると:EMS/航空(追跡付き)を使い、SAL/船便は避けて下さい。発送可否は日本郵便の国別運用表で最新版を必ず確認してください。郵便局 | 日本郵便株式会社
3) カナダ側の状況(受取~国内配送)
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カナダ国内でのストライキや労働行動により、到着から国内配送(最終配達)までに通常より大幅に時間を要している状況が繰り返し発生しました。政府系の案内では、業務が段階的に再開された後でも「バックログの処理で遅延が続く」と明記されています。発送側(日本)で「受け渡し」できても、カナダ国内で最終配達が滞ることがあります。Canada
4) 海外販売者としての実務チェックリスト
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発送前に日本郵便の国別ページを確認(更新頻度が高い)。必ず最新の「Service availability by country」を確認して下さい。郵便局 | 日本郵便株式会社
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発送方法はEMSまたは航空(追跡付き)を選択してください。SAL・船便は原則不可/リスク高。郵便局 | 日本郵便株式会社
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追跡番号は必ず通知してください。買い手に追跡URLと想定遅延(例:通常+2〜6週間)を先に伝えるとなお良いです。
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EAD(電子事前通知=電子通関データ)要件の確認:輸出書類や税関情報の入力が必要なケース、特に課税品目はEAD送信が必須の場合があります(日本郵便の表示を確認)。郵便局 | 日本郵便株式会社
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発送ポリシーの一時変更を明示:返品・キャンセル・補償の条件(配達遅延時の扱いなど)をショップに明記しておくと良いです。
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代替物流(民間の国際宅配/フォワーダー)も検討:FedEx、DHL、UPS 等はカナダ国内ラストマイルでカナダポストに依存するケースもありますが(=影響を受ける場合がある)、独自の国際ネットワークで対応する場合もあるため見積と到着見込みを確認してください。
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在庫・出荷スケジュールを前倒し:年末商戦や繁忙期はさらに遅延が拡大するため、在庫の早め補填を検討して下さい。参照
5) 顧客対応
短い案内文を商品ページや注文確認メールに入れておくとクレーム予防になります
例文
※重要:現在、カナダ国内の郵便事情(労働行動)の影響で通常より配達が遅れる可能性があります。発送は日本側からは可能ですが、カナダ国内での処理に時間がかかる場合があります。追跡番号をお知らせしますので、配送の進捗はそちらでご確認ください。遅延による返金・返品ポリシーは当店の規約に従いますが、ご不明点はカスタマーサポートまでご連絡ください。
6) 代替案(発送不可・極端に遅い場合の選択肢)
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国際宅配便(DHL/FedEx/UPS):料金は高めですがトラッキングや補償面で安心です。カナダ国内ラストマイルがカナダポスト依存だと影響を受ける可能性あり事前確認をした方がいいでしょう。
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現地倉庫(北米倉庫/FBA Canada等)への事前納品:在庫を北米側に置けるなら到着問題を回避できます(ただし手続きとコストが発生)。
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注文受注停止(臨時):どうしても配送品質を担保できない場合、カナダ向け販売を一時的に停止する選択肢も検討して下さい。多くの販売業者がストライキの影響が顕著な期間に採用しました。参照
7) 参考(公式情報・重要ソース)
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日本郵便「Service availability by country」 — 各国の受け入れ可否と詳細。最新の運用表を必ず確認してください。郵便局 | 日本郵便株式会社
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日本郵便:2025年10月3日付の「受け入れ停止/遅延の告知(2025年10月6日以降の変更)」。一部サービス停止の案内あり。郵便局 | 日本郵便株式会社
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Japan Post 各種アップデート(2025年5月〜9月の通知群) — ストライキに伴う遅延注意喚起。郵便局 | 日本郵便株式会社
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カナダ政府(Canada.ca)/Canada Post の業務再開・遅延に関する通知(業務再開およびバックログ処理の注意)。参照
8) 最後に
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今日(2025年12月12日)の時点で発送自体は可能ですが、到着遅延とサービスの一部制限が残っている点を前提に運営してください。最も安全なのは「EMS/航空・追跡付きで発送 → 注文ページに遅延の注意書きを明記 → 顧客へは追跡URLを速やかに通知」。また状況は変わりやすいので、発送直前に日本郵便の国別ページを再確認する運用ルールを必ず設けてください。郵便局 | 日本郵便株式会社

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