【amazon物販】国際eパケット発送時、VAT登録番号の記載場所が解らない時の対処法!(初心者の壁)

amazonで販売してると知らぬ間にシステムが変わってたりしますよね。公式サイトで調べてみるんですけど英文をそのまま訳したみたいな文章が多くてよく分からない…。それで結局放置してしまったり。

先月 (2021年7月) も「なんだがいつもと注文画面が違うなあ~」と気づいたんですが、面倒臭そうだったので今回も流すつもりだったんです。ところがどうもお金が絡むみたいです。これはちょっと放置するとマズそうなので対応することにしました。

調べてみると先月からEU圏の注文は税金(付加価値税)が徴収されていることがわかりました。付加価値税って日本の消費税みたいなものなんですけど(厳密に言えば違う)税務処理はamazonがやってくれるのでとりあえずセラーは細かいことは心配しなくていいみたいです。

今回は海外からの注文において各国の税金が徴収されていた場合の対処法について解説したいと思います。※amazon.co.jpの場合です。各国のamazonに出品されている方は該当しませんのでご注意下さい。

ヨーロッパのVATの徴収は注文画面最上部のアラートで確認

先月から海外からの注文画面を見てると国によっていつもとデザインが違うことに気づきました。注文の詳細の上のビックリマークの注意書きが増えているんですね。EUからの注文画面が変わってました。

今までの画面

7月からこんな感じに(例:ドイツ)

調べて見るとイギリスもアラートが出てました。ただEUより大分前から変わってるのがわかりました。

イギリスの注文の画面

よくよく調べて見ると1月からアラートが出てます。なんかちょっと画面が違うなぁとは思っていてもスルーしていたのでしょう(おい)。

イギリスといえば…EU離脱と関係ありそう。と思って同じく非EU加盟国のノルウェーを調べると同じくアラートが。

こちらは4月からでした。

VATという見知らぬ言葉が散見されるので調べてみると付加価値税のことのようです。そして…なんだか徴収という嫌な予感がする文字が見えます…。

どうやら2021年1月からイギリス、4月からノルウェー、7月からEUからの注文においてamazonが付加価値税を徴収するようになったということのようです。

アメリカの小売売上税の徴収の有無は “詳細はこちら”で

他にも徴収されてないかと色んな国からの注文画面を見てみました。すると米国からの注文はアラートはないのに徴税されていることがわかりました。中段の詳細のこちらという項目に徴税という文字があるのでしっかり取られてるのがわかります。

こちらもイギリスと同じく7月より前から徴収されているのが判明しました。確認できる一番古いものは2020年11月2日の注文。

もともと国内向けでも販売しているので消費税を含めた価格設定をしていたのと、いつも日単位の売り上げ総額でしか見てなかったので気づかなかったんですね(丼勘定)。いつのまにか国内と同じく海外でも間接税(購買にかかる税金)が取られるようになったということのようです。

アメリカはヨーロッパと違ってVAT云々の注意書きがありません。アメリカでは付加価値税はなく小売売上税という別の種類の間接税が取られます。どうやらこれが原因みたいです。ややこしい(汗)。細かい名称はどうであれ要するに税金取られてるということです。

受注メールも見てみると…

赤枠の部分”マーケットプレイスファシリテーター”って文言があります。ファシリテーターがなんなのかよくわかりませんが、とりあえず税とあるから何か徴収されてるのは確かです。

受注メールにマーケットプレイスファシリテーター税という言葉が現れるのは一番古いもので12月22日でそれ以前は消費税の扱いでした。ただしそれ以降も消費税の項目も残っていて同額です。

この言葉マーケットプレイスってあるからamazonの用語かと思ったらそういうアメリカの法律なんですね。どうやらアメリカにおけるオンライン購入では小売売上税=マーケットプレイスファシリテーター税ということのようです。それが日本のamazonで購入しても適用される、と。※後述しますがすべての州で徴収されるわけではありません。

でも何故かEUからの注文確定メールでも本来、付加価値税という所をマーケットプレイス ファシリテーター税って言葉を使ってるんですよね。素で間違ってるんじゃないか…。

海外からの注文でもすべての国で徴税される訳じゃなくて英国・ノルウェー・EUと米国からの注文に限られるみたいです。ざっくりいうと欧米ですね。さらに調べて見ると米国は一部の州のみとわかりました。

アメリカに話を戻しますと例えば以下はカリフォルニア(略称はCA)からの注文ですが詳細はこちらの項目で徴税されているのがわかります

一方こちらはテキサス(略称はTX)からの注文ですが詳細はこちらの項目がありません。

受注メールを確認しても “マーケットプレイスファシリテーター税”の項目がないので徴税されていないことがわかります(消費税の項目もない)。

徴収が開始された2020年11月から2021年7月の間に注文が入った約30州のうち徴収される州とされない州を調べると以下のようになりました。

徴収される カリフォルニア、ニューヨーク、イリノイ、ペンシルベニア、オハイオ、ミシガン、ジョージア、ノースカロライナ、ニュージャージー、バージニア、ワシントン、マサチューセッツ、インディアナ、メリーランド、ウィスコンシン、ミネソタ、ユタ、ネブラスカ、ハワイ、

徴収されない テキサスフロリダ、アリゾナ、テネシー、ミズーリ、アラバマ、サウスカロライナ、オレゴン、コネチカット、ミシシッピ、ニューメキシコ、ニューハンプシャー

傾向としては人口が多い州で徴収される(元々税率0%の州もある)のですが、それぞれ全米2位と4位の人口を誇るテキサスとフロリダでは徴収されないのが特徴です。今後徴収してくるかもしれないので両州は注意した方がよさそうです。

ただアメリカの売上税はどの州も10%未満です。国内向けにも販売してれば消費税を織り込んで値付けをしてるでしょうから価格設定を見直す必要はないでしょう。

その点、ヨーロッパの付加価値税は20%前後が相場なのでヨーロッパ宛てだけ配送料に上乗せするなど何らかの見直しが必要になると思います。

以上アメリカを見てきましたがヨーロッパと税金の名前が違うのでわかりにくくなっています。ヨーロッパでは付加価値税、アメリカでは小売売上税なんですけど両者ともamazonの注文確定メールではマーケットプレイスファシリテーター税という名称で扱われています。

ともあれ今現在は税金が徴収されるかは国によってまちまちですが他も追随してくるのは時間の問題だと思います。お役所としてはできるだけ取りたいでしょうからね。

しかしここへ来て何故徴収するようになったのでしょうか。

amazonの公式サイトの英語を直訳したような難解極まる解説と公的機関の論文調の文章と小一時間格闘した結果…ざっくりいうとこんな感じらしいです。

海外のお客さんが日本のamazonで購入するときに各国の税金をamazonが代理で徴収することにしました。今までは国を越えた取引だと徴収できなかったけどこれからは徴収していきます、ということのようです。

本来取るべきものが見逃されてきたのを取るようになったとみるべきなんでしょう。わかりました。従いましょう(従うしかないんだけど)。では発送側は何をすればいいんでしょうか。

間接税が徴収されているか知るには…?

セラーとしてまずやることは税金が徴収されているかの確認です。上記のようにビックリマークの注意書きは国によって違うのでそれだけでは徴収されているかわかりません。

しばらく画面を眺めていると一番簡単に確認する方法は中段の詳細はこちらの有無だとわかりました。こちらもEU・イギリス・ノルウェーと米国(一部の州)それぞれで表記が違います。

EUからの注文の場合(例ドイツ)

イギリスからの注文

※ノルウェーの場合はLegistationの項目が”eコマースのノルウェーのVAT”になっています。

アメリカ(一部の州)からの注文

海外からだけど徴収されてない注文(例:韓国)

韓国からの注文

欧米と違って詳細はこちらの項目がないことがわかります。

税金の徴収を申告するために識別番号を配送ラベルに記載する

税金が取られていることはわかったとしてセラーはどうすればいいんでしょうか?ネットで調べてもIOSSやVATの解説はあってもamazonのセラーが具体的に何をすべきか情報がありません。また日本と欧米各国のamazonの情報が錯綜していて非常にわかりにくいです。

以下はamazon公式の”Eコマースに関する欧州付加価値税 (EU VOEC) の法律-2021″という解説ページですが手がかりとなる記述があります。

赤枠の部分を要約すると”配送業者に識別番号を提示する”としています。

提示とは具体的にどういうことでしょうか?越境ECを支援している会社の情報によれば税金が徴収されている場合は識別番号を配送ラベルに記載するとのことです。国際郵便を発送することに違いはないので従って構わないでしょう。

EUのVAT識別番号はIOSS:IM4420001008

識別番号なんてどこにあるのと思ったらさっきの詳細はこちらの項目にありました。

この”IM4420001008“が識別番号なんですけど注文ごとに違うわけじゃなくて販売サイト自体に割り振られた数字です。※正式には輸入ワンストップショップ注文であることを示すために冒頭に”IOSS:”を付ける必要があるみたいです。なくても大丈夫だと思いますが念のため。

ただ上掲の詳細はこちらに赤枠してある画像見ればわかりますが、この番号が書いてあるのはEUからの注文だけです。

ただこの番号はサイトごとに割り振られたものなので日本のamazonで売れればEUからの注文は全部同じです。

ちなみに同じamazonでもそれぞれ国ごとに識別番号が違うので各国のamazonで売ったらまた別の識別番号を記載することになります(例: amazon.comだとIM4420001234)。

その他にヨーロッパでVATを徴収している国はすでに述べた通りイギリスとノルウェーです。こちらはEUに加盟してないので別の番号になります。

イギリスの識別番号はVRN:GB190023639

イギリスはEUのように”詳細はこちら“の項目に番号はありません。注文画面最上部のアラートの”税法 – ヘルプページ“というリンク先に説明があると思いきや何故かセラーセントラルに飛ばされてしまいます。ネットにも情報がなかったのでamazonのテクニカルサポートに問い合わせますと…わかりました。VRN:GB190023639です。

※VRNはIOSSと同じく不要だと思いますがamazonの正式な回答のためそのまま掲載します。

ノルウェーの識別番号はVOEC2034662

ノルウェーもイギリスと同じく注文画面に識別番号はありません。こちらは注文画面最上部のアラートのノルウェーへの配送:出品者出荷商品に必要な通関書類のリンク先にあります。

こちらはしっかりありました。VOEC2034662です。

アメリカの税関で売上税の徴収を申告する方法は…不明

今回困ったのがアメリカです。

amazonの公式サイトのどこを見ても情報がないのでテクニカルサポートに問い合わせました。最初は何も記載する必要がないという回答でしたが二重課税されたりしないんですか?と再度質問したら調査しますとのこと。

その後2週間ほどたっていますが未だに回答がありません。現状では何も記載せずにそのまま発送するしかありません。(テクニカルサポートから回答がありましたら追記します)

2021/9/22追記:アメリカでは800ドル以下だと関税は免税になるとのこと(売上税も免税にはなるとの情報もありますが公式のなソース見つかりませんでした)。いずれにせよ申告しなくても二重課税のリスクは少なそうです。自由の国万歳!

識別番号を記載しないリスクは二重課税と通関手続きの長期化

識別番号は税金が徴収されていることを申告するものになります。識別番号を申告していない荷物が越境ECの商品だと発覚した場合、販売時に課税されていないと判断され二重課税されるリスクがあります。この場合配送会社が配達時に受取人から徴収することになります。

現実にはよほど運が悪くなければ小規模事業者は対象にされることはないでしょうが少しでも懸念が残るなら記載しておくに越したことはないでしょう。記載しても何も損はありません。

また通関手続きがスムーズに行かず到着まで時間がかかる恐れもあります。特にEUは自国の販売者を守るために越境ECの監視を強化していますので識別番号がないと今までより時間がかかってしまうかもしれません。

インボイスが必要な場合(例:EMS)は識別番号を備考欄に記載

それでは識別番号は配送ラベルのどこに記載すればいいのでしょうか。今回は国際郵便を例に解説します。

以下は郵政のサイトのイギリス宛のゆうグローバルエクスプレス(UGX)に関する記述ですが郵便局の方に聞いたところ国際郵便全般でも同じとのことでした。

こちらによるとインボイスが必要な発送方法(例:EMS)の場合は備考欄に記載して下さいとのことです。

インボイスが不要な場合(例:国際eパケット)は配送ラベルの住所欄に

では国際eパケットはどうでしょう。インボイスがありません。

こちらも郵便局の方に聞きましたが「配送ラベルのどこでもいいです」とのことでした。しかしあまり目立たない所に書いてしまうと見落とされる恐れがあるので住所欄に書くといいでしょう、とのことでした。

住所1か2の余ったスペースに書くことになると思います。

amazonセラーが国際郵便を発送する際にやるべきことまとめ

以上をまとめますと

1.税金が徴収されているかを注文画面中段の詳細はこちらという項目の有無で確認する。

2.識別番号は
EU – IOSS:IM4420001008
イギリス – VRN:GB190023639
ノルウェー – VOEC2034662
※IOSS、VRNはなくても大丈夫と思いますが念のため

3.インボイスが必要な方法で送る場合は備考欄に識別番号を記載。インボイスが不要な方法で送る場合は住所欄に記載。

今後は徴収する国も増えてくる思うので常に詳細はこちらを確認しておいた方がよいでしょう。

今回はamazonが具体的に何をすべきか公式に発信していないので苦労しましたが参考になりましたら幸いです。

 

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