アメリカのデミニミス撤廃で米国発送はどうなる?

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アメリカのデミニミス撤廃って聞くと、まず800ドルルールは終了なの?いつから?関税はどれくらい?通関はどうなる?って、いろいろ不安になりますよね。

私もAmazonマーケットプレイスで販売しつつ、日本から海外発送をやっているので、Section321の扱いが変わると、国際郵便やDHL・UPS・FedExみたいなクーリエの料金だけじゃなく、通関の手間や到着時の請求(関税・手数料)まで影響が出るな…と身構えています。

この記事では、アメリカのデミニミス撤廃の全体像、2025年8月29日や2025年5月2日といった廃止日、ACEやEntryType86の実務影響、TemuやSheinで話題になりやすい越境ECの変化、国際郵便の課税方式まで、現場目線で整理します。

ちなみに、ここでいう「撤廃」って言葉は、法律用語としての厳密な廃止というより、実務上“デミニミスで通しにくくなる(=課税・通常通関寄りになる)”というニュアンスで使われることが多いです。ここ、地味に混乱ポイントなんですよね。

なのでこの記事は、制度の正確な呼び方にこだわるというより、あなたが今の発送運用で困らないように、「いつから」「何が増える」「どこで揉めやすい」を優先して書いていきます。

  • アメリカのデミニミス撤廃で何が変わるか
  • いつから課税・通常通関が前提になるか
  • Amazon海外発送での料金・請求トラブル回避
  • 国際郵便とクーリエの違いと選び方
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  1. アメリカのデミニミス撤廃とは
    1. デミニミスとSection321
      1. まずは定義:何が“ラク”だったのか
      2. なぜ今、見直し(撤廃・停止)に寄っているのか
      3. Amazon海外発送の現場だと、どこが効く?
    2. 800ドルルールは終了?
      1. 結論:数字だけで判断しない方が安全
      2. Amazon海外発送で実際に困るのは“到着時請求”
      3. 混同しがちな“別枠の免税”もある
      4. “ルールが変わる時”の現場対策はこれ
    3. いつから?2025年8月29日
      1. 日付の意味:境目は“米国東部時間”で動く
      2. 出品者が直撃を受けるのは“購入者体験”の部分
      3. 私ならこう動く:運用を“通常通関寄り”に寄せる
    4. 中国香港は2025年5月2日
      1. なぜ中国・香港が先に締まったの?
      2. 日本から送っても、原産国が中国なら関係あり得る
      3. “原産国”は、出品者の信用に直結しやすい
      4. 私の現場メモ:チェックは“完璧”じゃなくていい
    5. 非課税基準額と関税の違い
      1. 「免税」って言葉が多すぎて混乱する問題
      2. 関税・税・手数料は、何が上乗せされるの?
      3. 「非課税基準額」を“保証”みたいに使わない
  2. アメリカのデミニミス撤廃の影響
    1. 越境ECとTemuShein対応
      1. “大手の話”に見えて、実は小口にも波が来る
      2. 私が気にしてるのは「価格」より「不満の発生点」
      3. 運用の方向性:直送一本足から“選択肢”を持つ
      4. 購入者対応のコツ:言い方でクレーム率が変わる
    2. 通関ACEとEntryType86
      1. ACEとEntryType86は“中の人の仕組み”だけど、出品者にも効く
      2. 実務で増えがちな“追加確認”の正体
      3. 私が整える“発送データの最低ライン”
      4. HSコードは“完璧”より“筋が通ってる”が大事
    3. クーリエとDDPDDU
      1. クーリエは速い、でも“請求の仕組み”が複雑になりがち
      2. 国際郵便と比べたときの“出品者リスク”
      3. DDPとDDU:出品者が選ぶときの現実ライン
      4. 購入者に伝えるなら“責任の押し付け”に見えない言い方
    4. 国際郵便と課税方式
      1. 国際郵便は“変化が遅い”とは限らない
      2. 税関申告で止まりやすい“あるある”
      3. 関連するところは、過去記事も活用してOK
      4. “課税方式”の話は、断定しないのが正解
    5. アメリカのデミニミス撤廃まとめ
      1. 結局、出品者がやるべきことは“整える”と“伝える”
      2. 私の“実務ロードマップ”を置いておきます
      3. 最後に:ここは自己判断せず、公式確認が最強

アメリカのデミニミス撤廃とは

ここでは「そもそもデミニミスって何?」から入りつつ、日付(いつから)と、Amazon海外発送で困りやすいポイント(関税・通関・申告)を、順番に噛み砕きます。

デミニミスとSection321

まずは定義:何が“ラク”だったのか

アメリカのデミニミスは、ざっくり言うと少額の輸入を簡易に通す仕組みです。通称でSection321と言われることが多く、「800ドル以下なら簡単に入ってた」みたいなイメージが広まりました。

ここで私が強調したいのは、デミニミスの価値って「免税」だけじゃなくて、むしろ手続きの軽さとスピードにあります。越境ECが増えると、1件1件をガチガチに通常通関で処理してたら、物流が回らなくなりがちですよね。そこで“少額なら簡素化して回す”という思想が、越境ECの拡大と相性が良かったわけです。

なぜ今、見直し(撤廃・停止)に寄っているのか

ただ、私たち出品者の立場だと、ここを「免税のお得制度」とだけ覚えるのは危険で、実務では通関の入口が別ルートだったという理解が大事です。簡易で進むぶん、情報要件が軽めになりがちで、その穴が問題視されて見直しが進んだ…という流れですね。

具体的には、原産地や品名のあいまいさ、追加関税の回避っぽい動き、偽造品・禁制品の混入リスクなど、いろいろ理由が積み重なって「そろそろ締めないと」となりやすかった、ということです。私たちの発送でも、品名が雑だと止まりやすいのは体感ありますし、制度全体が“精度を求める方向”に寄っていくのは自然かなと思います。

Amazon海外発送の現場だと、どこが効く?

私がいちばん怖いのは、発送した荷物が止まること自体というより、「到着時に請求が出る」「受け取り拒否になる」「評価や返金につながる」この連鎖です。Amazonだと、購入者体験が悪いと、こっちの販売アカウントの健全性にも影響しやすいですからね。

なので、デミニミスとSection321を理解する時は、「免税かどうか」よりも、通関の前提が変わって、求められる情報が増えると捉えるのが現実的です。ここから先は、インボイス記載の精度、HSコード(分類)、原産国(COO)、そして誰が輸入者として責任を負うか(Importer of Record)の話が効いてきます。

私の感覚でのポイント

デミニミスは「関税がゼロ」というより、通関のしやすさが強みでした。ここが崩れると、手続きと請求が一気に重くなりやすいです。

制度の根っこを一次情報で押さえるならここ


(出典:米国法典 19 U.S.C. §1321(US Code House))

条文の位置づけを確認しておくと、「免税」というより“少額の取り扱いを簡素化する枠”だと理解しやすいです。

観点 デミニミスが効いていた時 撤廃後に起きやすいこと
通関 簡易で通りやすい 通常通関寄りで確認増
必要情報 最低限で回ることも 品名・分類・原産国が重要
購入者体験 追加請求が出にくい 到着時請求で揉めやすい
出品者の対策 発送フロー優先 説明・データ整備が必須

この表もあくまで大枠の話です。実際は配送ルートや商品ジャンル、申告内容で変わります。なので「絶対こうなる」と断定はできないんですが、少なくとも“雑でも回る時代”から“整ってないと止まる時代”に寄っているのは、現場として備えておく価値が高いです。

800ドルルールは終了?

結論:数字だけで判断しない方が安全

結論から言うと、800ドルという数字だけを見て「今も免税」と判断するのは危ないです。アメリカのデミニミス撤廃の流れでは、800ドル以下でも課税・通常通関の対象になり得る前提に切り替わっています。

ここ、検索してるあなたが一番気になってるところですよね。私も最初は「え、800ドル以下ならOKじゃないの?」って思いました。でも実務の話としては、“800ドル以下=無条件に免税”という運用が成り立ちにくくなる、と考えた方がトラブルが減ります。

Amazon海外発送で実際に困るのは“到着時請求”

Amazonの海外発送だと、購入者側が「個人輸入」っぽい形になることも多いので、今までは到着までスムーズだった荷物でも、今後は関税や手数料の請求が発生して“受け取り拒否”リスクが上がるかもしれません。

私の感覚だと、この手のトラブルは「税金そのもの」より、“予告なしで追加請求が来る”ことが火種になりやすいです。購入者は悪気なく「聞いてない」と言うし、こちらも悪気なく「制度が変わった」と言う。でも、それで評価が落ちると、損するのは出品者側…という構図になりがちです。

混同しがちな“別枠の免税”もある

さらにややこしいのが、「免税」って言葉がいろんな制度に散らばっていることです。たとえば、ギフトの免税や旅行者の携帯品の枠みたいに、デミニミスとは別の免税枠が存在します。なので「免税が残ってる=デミニミスが残ってる」とは限らないです。

ここは記事を読んだあとに、あなたが実務判断しやすいように、私の中での整理を置いておきます。

私の整理:よく混ざる用語の切り分け

  • デミニミス(米国):少額輸入を簡易に処理する枠(Section321の文脈)
  • ギフト免税:贈答品に関する別枠(デミニミスと同一ではない)
  • FTA/EPAのデミニミス:原産地規則の僅少許容(輸入通関の免税とは別概念)

注意

関税・税・手数料の有無や金額は、品目(HSコード)、原産国、申告価格、輸送モードで変わります。ここは一律で断定できないので、目安として捉えてください。

“ルールが変わる時”の現場対策はこれ

私が今やってる(または、これからやろうと思ってる)対策は、難しいことじゃなくて、地味な整備です。派手さはないけど、こういう時ほど効くんですよね。

すぐできる対策(出品者目線)

  • 商品説明に「輸入時の税金・手数料が発生する場合がある」を一言入れる
  • インボイス(申告)の商品名を具体的にする(genericな名称を避ける)
  • 価格根拠が説明できるようにしておく(セール価格・セット価格など)
  • 返品時の取り扱い方針を決めておく(返送費・税金の扱い)

最後に大事な前提として、税関・通関の判断はケースで変わります。なので、正確な条件は公式案内の確認が必須ですし、迷うなら通関業者など専門家への相談が安全です。

いつから?2025年8月29日

日付の意味:境目は“米国東部時間”で動く

日付で押さえるなら、ひとつ大きい山が2025年8月29日です。ここを境に、(郵便の扱いを別として)デミニミス前提で回していた小口輸入が、実務的に通りにくくなっていきます。

注意したいのは、こういう制度変更って、たいてい米国東部時間の何時何分みたいに区切られます。日本から発送する私たち目線だと、時差で「昨日出したからセーフ」「今日着いたからアウト」みたいな境目が起きやすいんですよね。なので、日付が近づいてきたら、ギリギリを狙わず、少し余裕を見て運用を寄せるのが無難です。

出品者が直撃を受けるのは“購入者体験”の部分

私の運用だと、米国宛ては「発送→到着→受領」までの体験が評価に直結します。なので、この日付以降は、発送手段を選ぶときに配送日数だけじゃなく、到着時の請求がどう出るかまで想定して案内文や運用を調整した方が安全かなと思っています。

特に注意したいのは、発送後に購入者から「配達員に追加料金を請求された」「受け取りで揉めた」と連絡が来るパターンです。ここは事前に説明しておくだけでもクレーム率が下がりやすいです。

私ならこう動く:運用を“通常通関寄り”に寄せる

この手の制度変更で怖いのは、「制度が変わった」こと自体よりも、現場が追いつくまでのグラつきです。輸送会社や通関の運用が切り替わるタイミングって、追加確認が増えたり、必要情報の要求が変わったりして、納期が読みにくくなりがちです。

だから私なら、2025年8月29日を境に、次の3点を意識します。

2025年8月29日前後で見直す3点

  • 商品別のデータ整備:品名の具体化、原産国、分類(HSコード)の当たりを付ける
  • 購入者への案内:到着時請求の可能性、遅延の可能性を“やんわり”明記
  • 配送手段の選択:国際郵便とクーリエを、納期だけでなく請求リスクでも選ぶ

ひとこと

「制度が変わるときほど、説明が武器」だなと思ってます。先に一言あるだけで、後のやり取りが楽になりますよ。

時期 想定される変化 出品者の動き
変更前 簡易処理が通りやすい 最低限の申告でも回る
変更直後 確認・遅延が増えやすい データ整備と案内文の強化
安定後 通常通関寄りが定着 SKU単位で運用を固定化

もちろん、ここは“目安”です。物流は政策だけでなく、繁忙期や航空便の状況でも揺れます。なので、最終的には配送会社・通関の最新案内を確認しつつ、あなたの販売スタイル(回転率、単価、返品率)に合わせて調整するのがベストです。

中国香港は2025年5月2日

なぜ中国・香港が先に締まったの?

もうひとつの重要日付が2025年5月2日で、中国・香港由来の小口が先に締められた流れがあります。TemuやSheinが象徴として語られがちなのも、この流れと相性がいいからですね。

ここは政治・取締りの話とも絡みやすいので、ニュースの見出しだけ追うと「巨大プラットフォームを狙い撃ち?」みたいに見えるんですが、私たち実務側が拾うべきポイントは別で、“原産国をちゃんと見られる”方向に寄っていることです。

日本から送っても、原産国が中国なら関係あり得る

私たちが日本から発送する場合でも、商材によっては原産国(COO)が中国になっていることは普通にあります。なので「日本から送る=関係ない」と切り捨てず、原産国の扱いを棚卸ししておくのがおすすめです。

たとえば、仕入れは日本国内でも、製造は中国という商品は多いですよね。ここでの落とし穴は、インボイスや申告で、原産国をなんとなくで書いてしまうことです。意図せず誤りがあると、差し止め・追徴・追加確認につながる可能性があります。

やること(小さくても効く)

  • SKUごとに原産国のメモを残す
  • 仕入れ先の情報(メーカー・型番)を控える
  • インボイスの記載をブレさせない

“原産国”は、出品者の信用に直結しやすい

私がこの棚卸しを推す理由は、節税とかの話じゃなくて、購入者トラブルと通関トラブルの両方を減らせるからです。原産国がブレると、税関だけじゃなく、購入者側でも「説明と違う」と思われる火種になります。

特にAmazonは、商品ページに情報が集約されているぶん、齟齬があると突っ込まれやすいです。なので、原産国が絡む商品は、出品情報(コンディション説明や補足)と申告情報(インボイス)を、できる範囲で揃えておくのが安心です。

注意(断定はしません)

原産国や規制は、商品カテゴリや素材、輸送ルートで扱いが変わることがあります。迷う場合は、配送会社や通関業者に確認しつつ、最終判断は専門家に相談するのがおすすめです。

私の現場メモ:チェックは“完璧”じゃなくていい

正直、個人事業主が全SKUについて完璧な書類を揃えるのは、現実的にしんどいです。なので私は、まずは売れてるSKU・高単価SKUから優先して、“止まったら痛い順”に整備していくのがいいかなと思っています。ここ、あなたも共感あるはずです。

非課税基準額と関税の違い

「免税」って言葉が多すぎて混乱する問題

検索していると「非課税基準額」「免税」「デミニミス」が混ざって出てきますが、ここは整理しておくと混乱しにくいです。

まず、デミニミスはアメリカ側の制度(簡易通関・免税扱いの枠)で、いわゆるギフト免税などの別枠と同一ではありません。さらに、FTA/EPAの文脈で出る“デミニミス(僅少許容)”も別物です。

この「別物」を混ぜると、実務判断でズレます。たとえば、購入者に「ギフトだから免税」と説明してしまうと、後で請求が発生したときに揉めやすいです。なので、私は「発生する可能性がある」と逃げ道を残しつつ、購入者を不安にさせすぎない言い回しを意識しています。

関税・税・手数料は、何が上乗せされるの?

実務の話に落とすと、アメリカのデミニミス撤廃の影響が大きいのは、到着時の請求が発生しやすくなることと、通関に必要な情報の精度が問われやすくなること。ここを押さえると、次の章の対策が決めやすいです。

請求の中身はケースで変わるんですが、一般的には次のような要素が絡みます。

項目 ざっくりの意味 揉めやすさ
関税 品目・分類・原産国で決まる税 高い(予想しにくい)
税(州税など) 州や条件で別途扱い 中(ケース差)
通関手数料 キャリアや代行の手数料 高い(購入者が納得しにくい)
立替手数料 税金を立て替えたときの費用 高い(説明不足で荒れる)

「非課税基準額」を“保証”みたいに使わない

よくある失敗が、「非課税基準額があるから大丈夫」と言い切ってしまうことです。これは、制度変更局面だと特に危険です。購入者の期待値が上がった状態で、追加請求が来たら、こちらの説明責任が重くなります。

私のおすすめは、言い切らないこと。具体的には、「輸入時に税金・手数料が発生する場合があります」くらいの表現にして、必要以上に煽らず、でも逃げ道を作る感じです。これ、地味だけど効きます。

大事な前提

ここで書いた金額や扱いは、あくまで一般的な目安です。正確な条件は公式情報をご確認ください。最終的な判断は、通関業者など専門家に相談するのが安全です。

アメリカのデミニミス撤廃の影響

ここからは「じゃあ、Amazon海外発送の現場で何が起きる?」を具体化します。料金・通関・配送の3点セットで、トラブルが起きやすいところを先回りして潰していきます。

越境ECとTemuShein対応

“大手の話”に見えて、実は小口にも波が来る

越境ECの文脈だと、TemuやSheinがよく話題に出ますが、私たち個人事業主でも影響がゼロではないです。理由は単純で、デミニミスが機能していた時代は「小口を大量に、速く、安く」が成立しやすかったからです。

この前提が崩れると、次の変化が起きやすいです。

  • 購入者価格が上がりやすい(関税・手数料の上乗せ)
  • 配送が遅れやすい(通関の確認が増える)
  • 返品が面倒になりやすい(税金絡みの調整が発生)

私が気にしてるのは「価格」より「不満の発生点」

価格上昇は当然イヤなんですが、私の現場感としては、購入者が一番ストレスを感じるのは“不透明さ”です。商品代金は払ったのに、荷物の受け取りで「追加でいくら払って」と言われる。これが一番荒れやすいです。

なので、Amazonの注文対応で私が意識しているのは、商品説明やメッセージで「到着時に税金や手数料が発生する場合がある」ことを、押しつけがましくない形で先に伝えることです。後出しになると、評価に直撃しやすいので…。

運用の方向性:直送一本足から“選択肢”を持つ

今後、もし米国向けの発送が増えるなら、運用としては「全部を同じ方法で送る」より、商品特性で発送手段を分けるのが効いてくるかなと思います。

発送手段を分けるときの目安

  • 低単価・軽量:国際郵便寄り(コスト優先、遅延許容)
  • 高単価・急ぎ:クーリエ寄り(追跡・補償・スピード優先)
  • 返品率が高い商材:返送のしやすさも含めて選ぶ
  • 通関が難しそうな商材:説明・分類・原産国の整備が先

もちろん、これはあくまで私の基準です。あなたの扱うジャンル(アパレル、雑貨、家電、ホビーなど)で“止まりやすさ”は違いますし、繁忙期の影響も受けます。なので、少量でテストしながら最適化するのが現実的です。

購入者対応のコツ:言い方でクレーム率が変わる

ちょっとしたテクなんですが、「税金がかかります」だと角が立ちやすいので、私は次のニュアンスに寄せます。

私が使う言い回し(例)

International shipments may be subject to import duties, taxes, and handling fees depending on local customs regulations.

これくらい“可能性”の話にしておくと、購入者も構えすぎず、でも後から揉めにくいです。

最後に念のためですが、各種規制・税制は変更されることがあります。最新の取り扱いは公式情報をご確認ください。迷う場合は専門家への相談もおすすめです。

通関ACEとEntryType86

ACEとEntryType86は“中の人の仕組み”だけど、出品者にも効く

アメリカ側の通関でよく出るのがACEとEntryType86です。ざっくり言うと、デミニミス貨物を電子的に処理するための枠組みとして語られてきました。

ただ、私たち出品者が覚えるべきなのは、単語そのものというより、「電子処理の前提が変わる=必要情報が増える」という現実です。2025年8月29日以降は、この“デミニミス前提の処理”がうまく回らない方向に寄っていきます。

実務で増えがちな“追加確認”の正体

通関で止まりやすいのは、だいたい次のどれかです。

止まりやすいポイント(体感)

  • 品名が曖昧(Accessory / Parts / Gift など)
  • 価格が不自然(相場とかけ離れて見える)
  • 原産国が不明確、または書類間で不一致
  • 分類(HSコード)の当たりが弱い

これって、制度が厳しくなるほど刺さります。逆に言うと、ここを整えるだけで“止まりにくさ”が上がるので、個人事業主でもやる価値があります。

私が整える“発送データの最低ライン”

私たちの立場で大事なのは、専門用語を覚えることよりも、必要情報が増える前提で発送オペレーションを組むことです。

発送前に整える情報(基本)

  • 商品名(曖昧な表現を避ける)
  • 価格根拠(値引き・セット・送料の扱い)
  • 原産国(COOのブレ防止)
  • 分類(HSコードの確度を上げる)

ここが整っていると、配送会社や通関で追加確認が入ったときにも対応が速くなります。逆に、ふわっとした申告だと止まりやすいです。

HSコードは“完璧”より“筋が通ってる”が大事

HSコード(分類)は、正直なところ、個人が完璧にやるのは難しいです。だから私は、まずは「大分類の見当をつけて、説明と整合させる」くらいから始めます。いきなり完璧を狙うより、ブレないことが効きます。

もし、同じSKUを何度も送るなら、分類・原産国・品名・価格のセットを固定化して、発送のたびに揺れないようにします。これだけでも“止まりにくさ”が上がる印象です。

注意

通関判断や必要書類はケースで変わります。正確な条件は公式情報をご確認ください。迷う場合は、通関業者など専門家に相談して判断するのが安全です。

クーリエとDDPDDU

クーリエは速い、でも“請求の仕組み”が複雑になりがち

DHL・UPS・FedExみたいなクーリエは、配送は速いけど、課金や立替の仕組みが絡むので、DDPとDDU(DTP的な考え方も含めて)の理解が効いてきます。

私の体感だと、トラブルの多くは「誰が払う前提か」がズレたときに起きます。購入者が「送料払ったのに、また請求?」となるパターンですね。

国際郵便と比べたときの“出品者リスク”

観点 国際郵便 クーリエ
配送速度 ばらつきやすい 速いことが多い
到着時請求 ケースによる 発生しやすい傾向
立替・手数料 比較的シンプル 条件で増えやすい
向いてる商材 低単価・軽量 高単価・急ぎ

この表はあくまで一般的なイメージです。実際は契約条件や配送会社の運用で変わるので、最終的には利用するキャリアの規約や見積りを確認するのが確実です。

DDPとDDU:出品者が選ぶときの現実ライン

ざっくり言うと、DDU寄りは「購入者が到着時に払う可能性がある」、DDP寄りは「出品者側で払って、購入者は受け取りがスムーズ」というイメージです。

ただ、個人事業主目線だと、DDPは“気持ちよさ”がある反面、契約や手続きのハードルが上がりやすいです。だから私は、無理に背伸びするより、DDU寄りで行くなら説明を厚くする、DDP寄りを検討するなら売れ筋SKUに限定して試す、この順番がいいかなと思っています。

私のおすすめ運用(いきなり完璧を狙わない)

  • まずはDDU寄りのまま、商品説明とメッセージで期待値調整
  • クレームが多いSKUだけ、発送手段(郵便→クーリエ)を変えて検証
  • それでも課題が残るなら、DDP寄りの選択肢を検討

購入者に伝えるなら“責任の押し付け”に見えない言い方

「税金はあなたが払ってください」と直球で言うと角が立つので、私は「規制により発生する場合がある」みたいな表現に寄せます。あなたもここ、気になりますよね。

メッセージ例(日本語のニュアンス)

国際配送のため、輸入時に関税・税金・取扱手数料が発生する場合があります。詳細はお住まいの地域の通関ルールにより異なります。

注意

DDP/DDUの取り扱いは、契約条件や配送会社のサービスで変わります。正確な内容は各社の公式案内をご確認ください。最終判断に不安がある場合は専門家への相談もおすすめです。

国際郵便と課税方式

国際郵便は“変化が遅い”とは限らない

国際郵便(USPSルート)については、移行期の課税方式が話題になります。ここは“郵便なら今まで通り”と決め打ちしない方がいいです。

私の感覚だと、国際郵便はクーリエよりも「請求が見えにくい」ケースがある一方で、いったん止まると連絡が取りづらく、結果として時間がかかることがあります。だから、国際郵便でいくなら、最初から止まりにくい申告を作るのが大事です。

税関申告で止まりやすい“あるある”

実務で私が気をつけているのは、税関申告(インボイス相当)の書き方です。商品代金に送料を含めるかどうか、価格の整合性、内容品の説明の粒度など、細かいところで止まることがあります。

特に、品名が曖昧だと止まりやすいです。「Gift」「Accessory」「Parts」みたいな言葉だけだと、税関側が中身を想像できないので、追加確認になりやすいんですよね。私は「素材」「用途」「型番」あたりを少し入れるだけでも違う印象があります。

国際郵便で“止まりにくくする”私のチェック

  • 品名は具体的に(素材・用途を少し入れる)
  • 価格はブレさせない(セットなら内訳メモを残す)
  • 原産国はSKUで固定(迷ったら仕入れ情報を確認)
  • 追跡の手段を確保(問い合わせの時間ロスを減らす)

関連するところは、過去記事も活用してOK

税関申告の書き方で迷う人が多いので、私のブログ内の関連記事も置いておきます(必要なところだけ拾ってOKです)。

“課税方式”の話は、断定しないのが正解

国際郵便の課税方式は、移行措置や運用変更の影響を受けやすいので、ここは特に断定を避けます。制度変更は“ある日突然”に見えて、実際は細かい運用が段階的に変わったりもします。

だから私は、国際郵便で米国宛てを送る場合、購入者に対しては「税金や手数料が発生する場合がある」「通関により遅延する場合がある」を最低限伝えつつ、発送後にトラッキングの確認をこまめにやるようにしています。地味だけど、結局これが一番事故が少ないです。

大事な前提

課税方式や必要書類は変更されることがあります。正確な情報は、米国側はCBPなどの公式情報、国内側は税関・日本郵便・利用キャリアの案内をご確認ください。最終的な判断は通関業者など専門家への相談もおすすめです。

アメリカのデミニミス撤廃まとめ

結局、出品者がやるべきことは“整える”と“伝える”

最後に、私がAmazon海外発送の現場で「ここだけは押さえたい」と思っている要点をまとめます。

  • 800ドル以下でも課税され得る前提で動く
  • 2025年8月29日を境に運用が変わりやすい
  • 原産国・価格・分類(HSコード)の精度が重要になる
  • 到着時の請求を想定して購入者への案内を整える

私の“実務ロードマップ”を置いておきます

アメリカのデミニミス撤廃は、たぶん「一部の大手だけの話」ではなく、私たちみたいに小口で海外発送している人ほど、じわじわ効いてきます。だからこそ、怖がりすぎず、でも油断せずに、運用を少しずつ“通常通関寄り”に寄せていくのが現実的かなと思います。

具体的には、私なら次の順番でやります。全部を一気にやろうとすると疲れるので、“売上が立ってるところから”でOKです。

実務の進め方(私なら)

  • 売れ筋SKUを10件だけ選んで、品名・原産国・価格根拠を整える
  • 購入者向けの一言(税金・手数料の可能性)を商品説明に入れる
  • 発送手段をSKUで分ける(郵便/クーリエ)
  • クレームが出たSKUは、原因をメモして再発防止を固定化

最後に:ここは自己判断せず、公式確認が最強

繰り返しになりますが、税制や通関は変更もあり得ますし、個別条件で結論が変わります。必ず公式情報を確認しつつ、不安が大きいときは通関業者など専門家に相談して判断してください。

あなたが米国向け発送を続けるなら、この記事の内容を“今の運用の棚卸し”に使ってもらえると嬉しいです。やること自体は地味なんですが、地味な整備が、結局いちばん利益を守ってくれますよ。

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